震災遺構 荒浜小学校へ行って来ました。

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東日本大震災を知らない子供達

東日本大震災。

私は普段関東に住んでいるので、普段の生活で震災を身近に感じることは少ないのですが、仙台出身ということで、震災のことを忘れたことはありません。

幸い私の実家には大きな被害はなく(とはいえライフラインが止まったり、家にヒビが入ったりしていますが…)私自身も当時は関東で震災を体験したので、どれだけ被災地の方々が大変な思いをしたのかは、親族・友人の話やTVを見て感じるだけなのですが…。

さらに、当時産まれたばかり&産まれていなかったうちの子供達は、長期休みの度に仙台を訪れているのに、今の整備された仙台の状況しか知りません。

しかし、上の子も小学生になり、下の子も話せばわかる年齢になったので、同じ年頃の子が災害の時にどういう状況だったのかを知って欲しいし、私も知りたかったので、震災遺構として公開されている『仙台市立荒浜小学校』を見学しに行くことにしました。

 

荒浜小学校の外観

恐らく校庭だったと思われる駐車場に車を停めると、すぐに目に入るのが正面玄関。

パッと見は形が残っているので、津波の被害に遭ったようには見えづらいのですが、よく見ると壁がボコボコしています。

近寄ってみると、段々と1階の悲惨な状況がわかってきます。

そして海に面した側の入り口に来たところで、2階の頑丈な鉄の柵と壁がなぎ倒されているのに大変驚きました。

津波の威力の恐ろしさを感じます。

内側から見るとこうなっています。

裏側には給食の調理室。

ちょっと見えづらいですが潰れた蛇口。

屋上にも上がれるのですが、そこから見た周囲の景色はこうなっています。

かつては家があったその場所は一面の緑になっていました。

約700m行ったところがもう海です。

 

1階の様子

外からも1階の様子は見えますが、中から見るとよりその惨状がわかります。

天井も床板も剥がれ、備品はボロボロ。

机などは片付けられていますが、当時の写真もあり、想像を絶する状況だったことがわかります。

1階は低学年の教室だったようで、地震発生時刻は5時間授業が終わって下校する間際くらいの時間ではないかと思うのですが「もう家に帰れる!週末だ~!(確か当日は金曜でした)」という気分でいたのに、自分の子供と同じくらいの子が一瞬にしてこんなに恐ろしい状況に置かれたんだと思うと苦しくなります。

 

2階の様子

津波が来たのは2階の床部分までだったようです。

なので、1階ほどのひどさではないのですが、掲示物などがそのままで、そこで時が止まっているのを感じます。

 

3階は当時避難場所だった

今は3階には立ち入れませんが、震災当時は避難場所として使われたようです。

 

4階は展示スペース

4階は当時の様子がわかる展示スペースになっています。

避難場所ではこうやって寝ていたとか…。

こんな感じのトイレを使うとか…

屋上に避難していた方々がヘリで救助されるまでの時系列が記されていたり。

当時の映像を流しているスペースもありました。

恐らく6年生の教室なのかな?という場所もあったのですが、卒業式目前でこんな状況になったのかと思うと、何とも言えない気持ちになります。

そして、かつてあった街並みを再現したジオラマがあったのですが、ちょうど大学生くらいの方が一生懸命作っていらっしゃる最中でした。

「〇〇さんの家」や「○○の店」など、細かく書いてあったのですが、この建物1軒1軒のご家族の生活が激変してしまったのだな…と思うと、改めて津波の恐ろしさを感じます。

ただ、この展示コーナーは悲惨さのみを示しているわけではなく、お子さん達が作った「これからの荒浜地域がこうなっていくといいな」という未来の希望を描いた模型もありました。

そして、用意しておいた方が良い非常食や防災用品の展示もあります。

「振り返る」だけではなく「これからを考える」ための施設でもあるのですね。

 

子供たちの反応

私が今住んでいる場所は海に近い場所ではないので、津波の心配はほぼないのですが、災害というものの恐ろしさ、防災用品を揃えたり、水の汲み置きを用意したりして事前に対策しておくことの大切さを実感したようです。

上の子は同じ小学生が被災した状況を知り「もし自分が小学校にいる時に地震が起きたらどうするか?」を改めて考える機会になったようです。

下の子はまだ幼稚園児なのでちょっと難しいかと思ったのですが、いろいろと感じたようで、帰ってきてから会う人会う人に説明をしていました。

 

実際に足を運んで欲しい場所

こちらへのアクセスですが、場所は変わっていないので我が家の古いカーナビでもある程度は案内してくれますが、周辺道路が変わったりしているので、予めホームページ等でご確認の上行かれた方が良いと思います。

そして、「荒浜小学校」という文字で検索すると、亘理町の方の荒浜小学校も出てくるので、お間違いのないように…。

駐車場が広いので車でのアクセスがおすすめですが、仙台市地下鉄東西線の荒井駅からバスも出ているそうなので、遠方から行かれる方はその方法が良いかと思います。

 

ちょっと見づらいのですが「津波の時は屋上へ避難」というような張り紙がしてありました。

説明文によると、震災の前年(2010年)にチリ地震津波があり、それをきっかけに避難場所について再考した結果、「(従来の避難場所である)体育館ではダメだ」ということになり、屋上避難に変えたそうなんです。

この避難場所の見直しが行われていなかったらと思うと…恐ろしいです。

なので、ここを見学することで、ご自身の避難場所や防災準備はこれで良いのか?と考え直すきっかけになると思います。

この記事に写真を載せましたが、この写真と私の拙い文章では伝えきれません。

なので、是非実際に足を運んでみて、ご自身の目で見て頂きたいなと思います。

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